Rezzや1788-Lが代表する新しいEDMのジャンル、"Industrial Bass"って何?
こんにちは!
ずいぶん久しぶりの投稿になると思います。。。笑 (約一年ぐらい?)
大学も卒業に近づいてきていて、研究も本格的に取り組むようになったり、大学院レベルのクラスも結構取っていたりして、なかなかブログを書く時間が見つかりませんでした。(完全に言い訳ですね 笑)
あっ、でも、最近、ブログ兼趣味用のTwitterを作ったので、もしよかったらフォローして頂けると嬉しいです!
とりあえず、一年の反省はまた年末のブログで書くとして、今回は今年人気になった、新しいEDMジャンルについて紹介したいと思います!
まずは、こちらの曲を聞いてみてください!↓
インダストリアルベース (Industrial Bass) って何?
さてさて、上記の曲を聞いてみていかがでしたか?
EDM、特にFuture Bass、を聴き慣れている方でも、最初に聞いた時は、少し違和感を感じると思います。(EDMを普段聞いていない方は不愉快に思うかもしれません。。。僕のほとんどの友達みたいに 笑)
この違和感は、単調で機械的な音に加え、単調な遅いリズムが強調されているドロップに一番感じられると思います。
それが最近流行っている、"Industrial Bass"の特徴です!
Industrial Bassは、激しい機械的な音を使った、テンポが85~100 bpm (Beats per Minute)の曲のことを表します。
Industrial Bassの基本を押さえたところで、次は音のことについてです。
機械的な音はどうやって作られている?
単調で機械的な音と言っても、音には色々と工夫がされています。
まず一番特徴的なのが、Downsampling(ダウンサンプリング)という信号処理のコンセプトを使っていることです。
Downsamplingを理解するには、Sampling(サンプリング)というコンセプトを理解しないといけません。
サンプリングとは、連続的な信号の値を、ある一定の周期で抽出することです。
ウィキペディアに分かりやすい画像があったので、以下に記載します。
By Email4mobile (talk) - http://en.wikipedia.org/wiki/File:Signal_Sampling.png, Public Domain, Link
上記の画像では、緑色の線が連続信号を表していて、その線の値がT周期で青色の丸、Si、として搾取されていることが見られます。
皆さんご存知の通り、実生活で音は連続的なものですが、コンピューターは連続的に音のデータを取り込めないので、このようにサンプリングをする必要があるのです。
そして、Downsamplingは、あるデータを保存する際に使われた周期より、大きい間隔でそのデータを再度サンプリングすることです。
例えば、普通のCDやインターネットからダウンロードする音楽ファイルは、ほとんどが44100 Hz(ヘルツ)でサンプリングされているのですが、そのファイルを2000 Hzでサンプリングをしなおすと、Downsamplingしたことになります。
Industrial Bassでは、ホワイトノイズの、ある一定の音域においてDownsamplingをすることで、汚い機械的な音を作っています。
でも、ホワイトノイズを流すだけではしっかりしたPitchが得られないので、Downsamplingされたホワイトノイズをノコギリ波と変調することによってピッチを得られます。
こうして構成された音は、音域が幅広く、特に、普通の音よりも高音域が強調されているので、一般的の人からしたら、違和感を感じる音かもしれません。
随分、専門的になってしまいましたが、少しでも理解していただけたら嬉しいです!
メロディーよりリズムを感じて!
最初に載せた曲、Illenium, Said the Sky, 1788-L, Kerli - Sound of Where'd U Go、からも分かるように、ドロップではほとんど音程が変わりません。
この音の変動の無さも、人に違和感を覚えさせると思います。
でも、Industrial Bassを聞くポイントはメロディーではありません!
Industrial Bassでは、リズムを感じ取ることで曲から快楽を得られます。(なんか違法ドラッグみたい。。。笑)
例えば、Sound of Where'd U Goの最初のドロップは十六分音符が連打されていて、一見シンプルかと思いますが、十六分音符の間は色々なバリエーションの機械の音が、基本のリズムから違うリズムで装飾されていて、注意深い人は意表を突かれたと思います。
あと、最初のドロップの後半部分では、特に、連打されている十六分音符が、Illeniumに特徴的なボーカルチョップがありとあらゆるリズムで装飾されていて、曲を面白くしています。
このように、音程はあまり変わらないものの、色々な機械的な音が変なリズムで装飾することによって、Industrial Bassの曲は盛り上がっています。
遅いテンポも重要なポイント
Industrial Bassは、Future Bassの発展系なのでテンポが遅いのも納得がいきます。
でも、遅いテンポが生み出す曲の雰囲気は、Future BassとIndustrial Bassで全く違います。
Future Bassの遅いテンポは、スローダンスみたいに、体をゆったり揺らすことを誘います。
例えば、Kizuna Ai - future baseからはゆったりした雰囲気を感じ取られます。
Future Bassのゆったりした雰囲気から比べて、Industrial Bassでは、遅いテンポは暗くて、不気味な雰囲気を曲から見出すために使われています。
余談ですが、最近の西洋のポップはテンポが75~110 bpmの曲が多いので、DJする際は、案外、ポップからIndustrial Bassに遷移することが簡単です。
オススメのIndustrial Bassの曲三選
さてさて、長くなってしまいましたが、最後にIndustrial Bassのオススメの曲、三曲を紹介したいと思います!
1. Illenium, Said The Sky, 1788-L, Kerli - Sound of Where'd U Go
このブログのはじめに紹介した曲です。
初めて聞いたときは、ドロップに圧倒されました!笑
2. Porter Robinson - Divinity (REZZ Remix)
先週リリースされた曲です!
Porter Robinsonのメロディックな曲が、Industrial Bass風に破壊されています。(良い意味で! 笑)
3. Virtual Self - Particle Arts (1788-L/FLIP)
最初はメロディックに始まるのですが、いきなり激しいドロップに突入します。
スピーカーと耳を壊さないようにご注意ください! 笑
いかがでしたでしょうか?
少しでも、Industrial Bassというジャンルに興味を持っていただけたら嬉しいです!
長々と読んでいただき、ありがとうございました!!!